予防歯科
PMTC
PMTCとはProfessional Mechanical Tooth Cleaningの略です。歯科医師、歯科衛生士などの専門家により、さまざまな器具とフッ化物入りペーストを用いて、すべての歯面とその周辺のプラーク(歯垢)を除去する方法です。約20年ほど前にむし歯、歯周病の予防管理を目的として北欧でシステム化され、現在多くのリサーチに裏付けられて着実な臨床実績を上げています。
PMTCは歯の表面がツルツルして気持ち良いばかりでなく、プラークに含まれる雑菌を落とすことによるむし歯・歯周病予防の効果があります。歯のクリーニング専用に開発された特殊なブラシやゴムのカップなどを使うので、痛みはありません。また、歯肉の腫れや痛みを抑え、苦痛緩和、歯の延命効果も期待できます。
PMTCはあくまでケア行為ですから、それだけでは病気は治りません。しかし、プロのクリーニングによってお口の中の雑菌レベルが低くなれば、それだけ治療成績も良くなります。また、歯の着色は落とすことができますが、歯の色そのものは変わりません。
治療内容
1回のチェア-タイムは約30分から1時間位です。
その方のリスク(歯や歯肉の強弱、細菌の強さ、唾液の量、着色の程度、生活習慣など)によってさまざまですが、一般的には3~6ヶ月に1回の間隔で行います。PMTCにかかる費用は当院では、一律3000円(自費診療)です。
フッ素
フッ素は自然界にも存在し、わかめ、海苔、魚介類、お茶などに含まれ、歯を丈夫にする栄養素です。 歯科医院ではフッ素液を直接歯に塗布する、スプレーする等の使用法があり、家庭ではフッ素入り歯磨き粉、フッ素入りうがい薬を使う方法があります。外国では上水道に含まれている国もあります。歯の表面のエナメル質を構成するのがハイドロキシアパタイトです。
フッ素はその結晶の中に水酸基に代わってフッ素が入るために結晶が安定し、歯が酸に溶けにくくなります。 またプラークの中にフッ素が停滞し、虫歯菌の活性を阻害し、酸を作らせないような働きがあります。 また、一度溶けてしまったエナメル質が再び結晶化する助けをする働きもあります。 ただし肉眼で見える程の虫歯には効果がありません。
特に子供は歯質が未熟なのに,あまい物が好きで,虫歯になり易く,プラークの除去がしにくいです。ブラッシングの習慣づけが一番ですが、完全に虫歯を防ぐ事は難しい事です。フッ素にも効果を期待したいものです。
キシリトール
砂糖に近い甘さを持つ天然の甘味料です。 白樺や樫などの樹液より精製されたもので、一般的に糖アルコールと言われる物の一種です。砂糖(ショ糖)とほぼ同じ甘さをもっていますが、糖アルコールは砂糖と異なり虫歯の原因にならなりません。またキシリトールの作用により歯垢のネバネバが作られなくなり歯垢が減少し、その中に隠れていた虫歯の細菌が減ります。 虫歯の細菌が、歯を溶かす酸を作ろうとしてもそれを阻止します。
虫歯の進行を止めるだけでなく、歯垢の中にカルシウムを取り入れる働きもある為に歯の修復(再石灰化)も促進します。
ガムでキシリトールをとる場合、噛む事で唾液が多く分泌され、唾液に含まれるカルシウム、リン酸が歯を強くしてくれます。
1日3回程度、食後にとり続けてください。歯磨きの前が効果的です。3ヶ月以上継続すると予防効果がでてきます。 また虫歯の原因にならないおやつとして使用していただくのも効果があります。
キシリトールを食べると、小腸から体に吸収されるが、代謝時にインシュリンに頼らないため、糖尿病の人でも大丈です。
FAO(国連食料農業機関)やWHO(世界保健機構)でも安全性の高いものとされています。
キシリトール100%のものは値段が高いため、ほとんど歯医者でしか販売されていません。店頭で購入する場合は含有量のチェックをしてください。含有量の多いものほど清涼感のある甘味を感じます。
キシリトールで虫歯を治す事も不可能です。また毎日キシリトールガムを使用していても歯磨きを怠れば虫歯や歯周病になります。 あくまでも基本は歯磨きで歯垢を落とす事です。